多胎児出産は場合によっては堕胎の必要もあり
多胎児妊娠では子宮の大きさが限られていますから胎児の成長に影響が出ます。
双子でも胎児の成長には大きく影響が出ます。
完全に成熟しきる前にお産が始まってしまったり、
逆に母体と胎児を守る為に未熟児の状態でも
早期に取り出してしまうことも多々あります。
つまり多胎児妊娠で危険なのは母体だけではないと言うことです。
胎児が無事に成長できる可能性も低くなるのです。
もしそれが三つ子以上だった場合には、
早い段階で有精卵の幾つかor全てを諦めて堕胎しなければならないケースも有ります。
望んで望んでやっと出来た子の中から子供を選ぶ、
または全員を諦めなければならない気持ちは想像もできません。
勿論国内でも出産例が無い訳ではありません。
五つ子ちゃんが誕生したことは、
国内でも大きく取り上げられ特番もしばしば組まれるほどの大人気でした。
しかし多くの場合、あのようにうまくいくとは限らないのです。
また出産後の育児を考えると、その困難さは容易に想像が付くはずです。
何度か書きましたが、日本では母体優先の法則を徹底している為、
出産で母体が亡くなると言うケースは殆どなくなりました。
逆に言えば母体を助けて胎児を見捨てるケースは今でも沢山あるということです。
また母体優先の法則から、母親が自分の命を捨てでも
子供を産みたいとか全員を産みたいと願っても、
それが受け入れられないケースも有ると言うことです。
排卵誘発剤使用による妊娠では、このようなリスクもあるのです。
諦めきれずに泣き叫んで暴れる母体を薬で眠らせ、
その間に堕胎する・・・という現場に偶然出くわしてしまったことがあるのですが、
それは言葉にならない光景でした。
ご主人と両家のご両親に、おそらく兄弟でしょうか?
付き添ってきた10人近くの家族に取り押さえられても暴れるその女性の姿は、
きっと一生忘れられません。
そして翌日の朝、隣の個室から突然大声で泣き出したその声も・・・
それは昨日打たれた薬から醒めた瞬間だったのでしょう。
彼女が目覚めた時、本人はまだ知らなかったと思いますが
子供は既に堕胎された後でした。
隣の病室にいた私たちは既に堕胎が行われたことを知っており、
やるせない思いでした。
そんなリスクを抱えながらも不妊治療を頑張る女性たち。
多胎児出産した方達が少しでも生活しやすい環境が整うことを切に願います。
(C) 2010 不妊症治療の現実 【不妊症女性の悩み・ストレスと原因】